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使用期間が長期化するほどスターリングエンジンの重量・容積のメリットが顕著となり、長期間運用の海中動力源として適性が明確となる。

表3.1.1-1スターリングエンジンと二次電池の重量・容積比較表

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(3)静粛性
電波の伝わらない海中では、音響技術が諸調査の手段や通信の手段として多用されており、こうした音響装置の使用に際して、動力源システムから放射される雑音が問題となる。
このため、静粛性は海中動力源に対し重要な要求項目の一つとなる。
一方、既述の通りスターリングエンジンの長所の一つがこの静粛性にあり、二次電池等の化学エネルギ変換システムに比較すれば劣るが、従来型の内燃機関に比較して十分な雑音低減がなされ、上記の要求に合致するものである。
(4)安全性・信頼性
新規にシステムを構築する上で、安全性は最も優先されるべき項目であり、特に海洋開発分野においては、陸上設備への適用と異なり、高圧雰囲気、閉鎖環境の特殊な条件下にあるため、安全性の確保が非常に重要な課題となる。
スターリングエンジンの安全性については、開発の初期段階にこそ作動ガス高温加熱部のヒータにおける熱損傷や作動ガス漏れに対する安全性が強く求められた時期があったが、世界各国における長期間に渡る研究の成果として、高温特性に優れた耐熱材料の使用や、シール性能の向上、さらには、エンジン本体の耐久性の向上がなされ、スターリングエンジンそのものの安全性・信頼性は高い。

 

 

 

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